転売は悪なのか 新型コロナ マスク転売規制による禁止の今だから考える真っ当な転売考
お忙しい方へ、私の考える結論から先に・・・
日頃心がけていることとK-DADの転売考
- 転売=悪 では決してない
- 世の中の商売の多くは転売行為
- 小売から仕入れてもいいじゃないか
- ルール・マナーに反した小売りからの買い占め→転売は本来適正価格で入手できたはずの人の機会を奪っているのでNG
- 世の中の大多数に眉をひそめられる行為はしない→それで儲けても自分の心がすさむ
- 一般常識の感覚を忘れない
- 子供、親に胸張って言える商売を
政令でマスク転売禁止
こんにちは。K-DADです。
新型コロナウイルスの影響のため本日3月15日から政令によってマスクの取得価格を超える値段での転売が禁止となりました。
本日3月15日以降は違反行為に該当するマスクの転売をした個人・事業者には1年以下の懲役か100万円以下の罰金といった罰則が科されます。
この場合の転売行為とは・・・
規制の対象になるのは、
①小売店舗やECサイトなどから購入したマスクを、
②購入した金額よりも高い価格で、
③インターネットや店舗などを通じ不特定又は多数の者へ転売することが禁止になります。
卸売業者が製造業者や他の卸売業者からマスクを仕入れて販売する行為は、違反行為には該当しません。
とあります。 (経済産業省発表情報より)
つまり、
- 個人でも業者でも
- 小売店で買ったマスクを
- 買った価格より高い値段で
- 不特定多数の人に販売する
ことを全て満たす行為が禁止となります。
マスク転売規制についてのQ&A (厚生労働省・経済産業省・消費者庁)
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/tenbaikisei_qa.pdf
経産省の情報を読み進めると
小売業者が、卸から仕入れ→小売りで暴利を乗せて販売することは
2、小売店で買ったマスク
ではないので違反行為には当たらないそうです。
またマスクと他の商品の抱き合わせ販売も今のところ違反ではないとのこと。
なかなか違反行為の範囲の設定と判断が難しいと思いました。
K-DADが考えるマスク転売規制の是非
このマスク転売規制はネット通販業を営んでいる私個人からすると結構踏み込んだ政令だなというのが第一印象です。
このご時世のマスク限定ではありますが"私人"の自由な商行為の権利をかなり制限していると思うからです。
そしてその効果も疑問。
禁止されても悪質な転売ヤーは抜け道を考えてやる人はやるし、逆に適正なものも含めマスクを販売することが躊躇され、流通が遅れてしまうのではないでしょうか。
少し高い値段では買えたものがそれもなくなってしまう、みたいな。
3月になれば週1億枚に生産増強できると官房長官が言っていたマスクはどこに行っているのでしょうか。
まずは緊急にひっ迫している医療機関に、その後小売り分にも回っていくのでしょうがそれにしても遅くないですか?
マスクだけはいまだに店頭で全く見かけません。
知り合いの看護師も今は一人1日1枚しかマスクが使えないと言っていました。病院でですよ。
そこをスピードアップして早く市場に流通させることが、私人の販売を規制するより政府のまずやることだと思うのですが・・・。
マスクの流通量が増えれば転売の利幅もなくなるので悪質な転売は自然に収まります。
K-DADは心情的にはマスクの悪質な転売禁止は賛成ですが、マスク転売規制の政令は政府が世の中から巻き起こる不満のガス抜きに発表した程度のものだと思っています。
政令出さないよりは出した方がいいけどもっとやることあるだろという思いです。
転売は悪か・・・?
このマスクの件も含め何かとやり玉にあがる転売ですが、
転売とは、もともとは
一方から買った物を、他者に売り渡すこと。
ただこれだけです。
善でも悪でもなく全くニュートラルな行為です。
仕入れが発生するほとんどの商行為は転売をして利益を出していると言えます。
ですが巷で問題になっている転売行為とは例えばこのようなものです。
- 購入数に制限があるものをあらゆる手段で買い占めて高い値段で転売する
- 入手困難な製品を大量購入して法外なプレミア価格で販売する
- 入手困難なコンサートのチケットをやはり買い占めて高額転売
主には買い占めなどで、本来それらを本当に必要としている一般の購入希望者が通常価格で購入できる機会を奪って、暴利で転売する行為が批判を浴びています。
ニュースでは大勢のバイトを雇って一人ひとつの購入制限があるものを大量購入している様子がよく報道されています。(今回のマスクとか、福袋とか、SUPREMEなどの限定品とか)
いわゆる転売ヤーと報道される人たちですね。中国人転売ヤーはその組織力も含め良くも悪くもお金を稼ぐということに対しての行動力がすごいのでインパクトが強いです。
転売ヤーというと当初は単に小売店から購入して販売するいわゆるせどりをする人たちを指していました。
でもいつしかこのようなルール、モラルに反する行為で稼ぐ人たちと同義になってしまいました。
そのせいで転売=悪と眉をひそめられるようなイメージになってしまっていますが、本来転売とは真っ当な商行為です。
ただ単に買った物を他者に売る、という通常の商行為だからです。
安く仕入れて高く売るというのは全ての商売の基本です。
「売る価格を自由に決めることができる」のも「それを納得の上買う行為」も資本主義で当然認められてる権利です。(一部国の規制下にあるものは除きます)
ですので転売、それ自体は悪いことではないです。
昨今では転売というと先の基本的な意味と合わせて
小売り業者から仕入れて横流し販売する
という意味におおむねなってきています。
そうだとしても小売りから仕入れることも、それをそのまま売ることが悪でもありません。
飲食店が少量必要な食材を誰でも購入できるスーパーなど小売店から仕入れることはよくあることですし、
卸から仕入れるほど量をさばけない業者はもちろん小売りから仕入れてもいいのです。
並行輸入品として売られているものは大概海外の小売店から買い付けされています。
そもそも卸、問屋というのは日本独特の考えでK-DADが買い付けしているタイでは小売業者が卸販売もしますので両者の境い目がありません。仕入れに問屋を介するという考えもありません。
海外製品を少し多めに仕入れたければすぐ生産元にアクセスします。
ですのでもともとの広義の意味ではもちろん、昨今定着した小売り仕入れ再販という意味でも転売それ自体は悪いことをしているわけではありません。
ルールや一般のモラルに反する行為をして買い付け、販売をしているから批判され、問題になります。
でなければ世の中のほとんどの仕入れ販売をしている企業が悪と責められることになります。
世の中のほとんどの商売は転売
世の中の仕入れ→販売が発生する取引は多くが広義の転売と言っていいです。
単なる横流しではなく、仕入れたものに何かしらの付加価値をつけて販売すれば転売ではなくなると思います。
ですが大企業、有名店でも
- 仕入れたものをただ単にタグやネームやパッケージを変えただけ
- もしくは独占販売契約を取っただけ
でそのまま同じ製品を販売しているケースは多いです。
そう考えるとBEAMS、SHIPSやジャーナルスタンダードなどのセレクトショップや伊藤忠商事や三井物産、住友商事など大きな商社でも規模が大きいだけで転売をやっています。
さらに並行輸入品というのはまんま転売です。ドン・キホーテや並行輸入ショップなどで売られているブランド品はまさしく転売されている商品です。
輸入車の並行輸入ショップもありますよね。
金券ショップもチケットや金券の転売で利益を上げていると言えます。
衣服やブランドバッグ、金券、食品、建築資材、ドイツ車、原油や資源でも仕入れてそれをそのまま販売しているということは転売なのです。
非常に多くの企業が広義の転売行為で利益を上げています。
K-DADも
- タイや中国から仕入れた商品をそのまま販売
- タイや中国から仕入れた商品を自社のタグをつけて販売
- 海外のお客様から注文があった商品を日本の小売店で調達して発送
して売り上げを立てていますが、これらは転売だという自覚のもとやっています。
世の中のルールやモラルに反しないかが基準
ですので転売行為自体が悪なのではなく、簡単に言うとその仕入れ販売行為が
人に喜ばれるのか
または
人に迷惑をかけるのか
が通常の販売なのか、悪い転売なのかを分ける基準になると思います。
- 一般の人が存在に気づいていない良い商品を世に広めてあげる
- 地域的、時間軸的に入手困難な製品を適正な利益を乗せるだけで世界中の人に販売してあげる
- もともとある商品に改善を加え付加価値をつけて販売してあげる
これらは人に喜んでもらえる販売方法です。
こういった商品にはお客様は喜んでお金を払ってくれます。
逆に
- 一人1個まで、など購入制限があるのに抜け道を使って大量に買い占めて販売する
- 本当に必要としている人の足元を見てありえない利益を乗せて販売する
こういった行為は本来通常の価格で手に入れることができたはずだった人たちの機会を奪う行為なので人に迷惑をかけます。
さらにその商品が本当に必要な方には大変な迷惑行為です。
その商品が人の生活や生き死にに関わる生活必需品や健康に関係する商品でこういったことをするとさらに非難されることになります。
このような行為は法律で禁止されているわけではありません。
(今回のマスクの政令やイベントチケットのように規制されているものもあります)
だから販売する人のモラルにかかっています。
それをやるかやらないかは結局売る人のモラル次第です。
中国人にとっては下手に規範やモラルを守ったりすることなんかより、より多く稼ぐことが最重要な価値基準です。
だから中国人は日本人ならモラルに反すると思う行為でも稼げるなら平気でやります。
(買い占めやヤラセレビュー、コピー商品など)
稼げるのになぜやらないの?くらいの考えです。
しかし我々は日本人です。
完全に金を稼ぐということに魂を売ってしまったような人もいるのかもしれませんが、
多くの転売ヤー的行為をやっている人でも少なからず後ろめたい気持ちを持ちながらやっているのではないでしょうか。
キレイ事かもしれませんがそこで自分の規範意識、モラルに勝てるかということです。
自分の子どもや母親に胸張って言えるか
自分のモラルに反しないか、わかりやすい基準は私は自分の子どもや自分の母親に自分のやっている商売を胸張って言えるか、ということだと思っています。
誰でも
- 自分の子どもには軽蔑されたくない
- 自分の親には心配掛けたくない
という思いがあります。
胸張って言えないということは少なからず後ろめたいことがあるからです。
自分の子どもや親に
オレ、困ってる人にマスク高く売りつけて儲けてるんだ
と言えますか?
自分の大事な人に言えないような商売はしないことです。
もしそれを恥ずかしいと思わない人、そういう人は一時的には稼げるのかもしれませんが、それと引き換えに心がすさんでいきます。
そしてそういった手法は長くは稼げません。
マスク転売もすぐに稼げなくなるでしょう。
たいていそういう手法は引き時を見誤って大量の在庫が残ったりして結局はそれほどは稼げないものです。
私は
- 少なくとも売っている価格以上の価値を感じてもらえる商品と価格設定
- 仕入れた商品に少しでも付加価値をつけた商品
- 買った人が喜んでくれる商品
を売ることで自分の商売に誇りを持てるように心がけています。
付加価値の付け方にもいろいろあります。そこが商売人の工夫のしどころです。
マスク転売には付加価値がないのに欲しい人の足元を見て高額な価格をつけるので嫌われます。 誇れない行為です。
最後に
一部の悪質な転売ヤーのおかげでネット販売全体のイメージが悪くなってしまうのは残念です。
各人がモラルと誇りを持ってネット物販ビジネスに取り組んでいきたいものです。
今回の記事は役に立ちましたでしょうか。
読んでいただいてありがとうございました。
K-DAD