ワニ革製品の輸入許可の取り方【かんたんCITES詳細解説】
今日の記事はこんな方にオススメ
- タイからワニ革製品を輸入したい
- 人と違う差別化された商材がほしい
- ワニ革の輸入手続きをわかりやすく知りたい
ワニ革は取り引きが厳しく規制されている
こんにちは。K-DADです。
今日はタイで買い付けできる重要な商材、ワニ革製品の輸入承認許可の取り方についてお話します。
タイで加工されるシャムワニの革の取り引きはワシントン条約(CITES)(サイテスと読みます)で厳しく制限されており、通常は輸入できません。
ワシントン条約とは・・・
人間による過剰な取引によって、絶滅するおそれのある野生生物を保護する国際条約が、「ワシントン条約(CITES)」です。 (WWFホームページより)
タイで主に養殖、加工されているシャムワニもこのCITESで保護されています。ワシントン条約がなければ希少価値があって絶滅の危機に瀕した動物たちが乱獲で絶滅してしまいます。
ちなみにシャムワニは附属書Ⅰという原則商業取引禁止の最も厳しい規制の分類に属します。
ですが経済産業省に輸入承認を受けると輸入して販売することができるようになります。
そのためにはCITES事務局に登録された商業用繁殖施設で繁殖されたワニの革であることを証明したCITES輸出許可書が必要になります。
この一連の手続きが必要なため、ワニ革製品は一定のハードル、参入障壁があるように見えるので、仕入れ値にに対して高い利益を取れるタイ仕入れのドル箱商品になっています。
そう聞くと何かめんどくさそうだなと思いましたか?
そう、
それがワニ革製品販売に参入する心のハードルになってるんです。
でも実はこの輸入承認の手続きは誰でもでき、費用もほとんどかかりません。
慣れれば手続自体も簡単です。
ですが詳しく解説しているサイトも少ないのでやっている方もまだ少ないのでしょう。
だからこの輸入承認手続きが必要ということ自体が
「何かワニ革売るのって面倒くさそう」
と敬遠する原因になっています。
やってみればかんたんなのにね。
何かの有益な情報を得た時に、でもそれを実践するのは多くて全体の10%程度の人であるという統計もあります。その10人のうちの1人になってしまえばワニ革というブルーオーシャンの商材が待っているのにです。
情報を知った時はそれいいぞと思っても日常の忙しさに流されて結局新しいことを実践しないんですね。
こうして今回、ワニ革製品の輸入承認手続きの方法を詳しく解説しても多分実践するのはこの記事を読んだ人の10%以下なのでしょう。
でも本当に簡単なのでここはサクッと輸入承認の取り方を覚えてしまって、商材の幅を広げましょう。
ちなみにタイで仕入れできるもう一つの人気商品、スティングレー(エイ革)の製品は輸入承認は必要ないです。
さあ、では実際の輸入承認の申請方法について説明します。
ワニ革製品の輸入承認のとり方
ワニ革製品の輸入承認を得るには、必要書類を揃えて経済産業省に申請するだけです。承認が通れば輸入承認書が発行されます。
その必要書類ですが、
自分で用意できるものと、タイの業者に用意してもらうものがあります。
ワニ革製品の輸入承認申請にかかる必要書類
必要書類は以下の4種類です。
- CITES輸出許可書 コピー2通
- ワニ革製品の取引インボイス コピー1通
- 輸入承認申請書 記入した原本2通
- 輸入承認申請説明書 記入した原本1通
以上です。
ここで自分で用意できる書類が3と4
1はワニ革製品を販売した店、工場に用意してもらいます。
2は同じくワニ革製品の販売店、もしくは製品を日本に発送する輸入代行業者が発行します。
業者が用意できたらスキャンを送ってもらいます。
1のCITES輸出許可書をワニ革製品の販売店に発行してもらわないといけないので買い付けや注文をする時に
「あなたの店(工場)はCITES書類を発行してくれるか?」
ということを必ず確認しないといけません。
店頭にCITES OK などと書いてあれば発行してくれますが
わからなければ店主に聞けばいいです。 店によっては1000バーツくらいの発行手数料を取る店もあります。
バンコクパスポートさんなど、タイの輸入代行業者の会員になっていれば最初からCITESを発行してくれる店、工場に案内してくれます。
注意することとして、チャトチャックウィークエンドマーケットやパラディウムセンターのワニ革店の中には売りっぱなしで
「CITESって何?」
なんて店もあるので購入時に必ず確認して下さい。
CITES輸出許可書のないワニ革製品は見つかれば絶対没収されます。
スーツケースに忍ばせて日本に持ち込むモグリの業者もいますが絶対にやめてくださいね。そんなリスク追わなくても手続きは手間だけで費用はかかりませんからね。
2のインボイスはタイから輸出する製品の注文明細書ですね。
ここで一点注意点があります。
経産省の方が言っていたのですが、インボイスの輸出者の名前と、CITES書類の輸出者の名前は必ず同じである必要があります。
両者が異なっていると申請ははねられてしまいます。
よくあるパターンとして、インボイスの輸出者の名前はワニ革製品の店、CITESの輸出者は輸入代行業者となっていることがよくあります。(その逆も)
それだと2つの書類の輸出者名が異なりますのでNGですね。
その場合はどちらかの輸出者の名前を変えて再発行してもらう必要があります。
もしくはなぜ両者の業者が異なっているのかを説明するレター(理由書)が必要になります。
(例えば、ワニの養殖から加工までと、輸送を違う業者が行っているから2つの書類の輸出者名が異なると説明する書面)
3と4は経済産業省のホームページからダウンロードできるので
印字して記入例を参考に記入します。
ワニ革製品の輸入は「商業取引を目的として繁殖させたものの輸入」という欄があてはまります。
こちらのリンクから直接PDF書類に飛びます。
3の輸入承認申請書は2枚ありますが必ず両面印刷で印字して下さいと言われました。
3の記入例
4の記入例
先ほどの輸出者名の時と同じく、タイ側の書類で輸入者があなたの個人名になっていれば、1,2の書類もあなた個人の名前、法人名になっていれば法人の名前を記入します。
ここは4種類の書類に記載されている輸出者と輸入者の名前が全て一致していないといけません。
ここが注意です。
ここが違うと申請し直しとなってしまいます。
あと書類記入上の注意点としては、3の輸入承認申請書に、輸入するアイテムを記入する表があって、アイテムごとに関税率表の番号という数字を記載する欄があるのですが、ここもアイテムごとに微妙に異なっていて自分で調べると正しい番号がわからず間違って記入してしまう恐れがあります。
アイテムごとの関税率表の番号も間違っていると、申請はやり直しになってしまうので記入時に税関に確認するのが一番確実です。
お住まいの地域の最寄りの税関に電話で問い合わせれば親切に教えてくれます。
こちらに税関事務所の一覧が出ています。
そうして4種類の書類が揃ったらいよいよ申請です。
申請方法
申請する機関は霞が関の経済産業省になります。
申請方法は直接経産省に行っても、郵送で必要書類を経産省に送っても両方大丈夫です。
郵送で申請の場合は4種類の書類と一緒に、経産省から発行された輸入承認書を送ってもらうため返送用のレターパックを同封することが必要です。
直接経産省に申請に行く場合は、本館と別館がありますが本館の方です。
最寄りは東京メトロ日比谷線・千代田線・丸ノ内線の霞ヶ関駅です。A12出口から出ると目の前です。
お役所らしく受付の開設時間が結構短いです。
平日の午前10時-11時45分、午後は13時半から15時半となります。
なお月最後の金曜日はプレミアムフライデーのため午後は14時半で受付が終了するらしいです。
あとは経産省の建物に入る時に入館手続きとして写真付きの身分証明書が必要になります。運転免許証かパスポートがあれば問題ないです。
経済産業省の入館案内:
郵送期間の3-4日くらい日数が余分にかかってもいいという方、東京まで遠い遠方の方は郵送で申請すればOKです。
ただし、書類に不備があればやり直しになるので、事前に経産省にしっかり不明点を確認してから申請して下さい。
電話で不明点を問い合わせるととても親切に教えてくれます。
直接経産省に行く場合はもし記入が間違っていてもいいように予備で未記入の申請書類を1-2部余分にと、実印を持っていくといいでしょう。
申請期間
経産省で申請が受理されて輸入承認書が発行されるまで約1週間かかります。
郵送で申請された場合は経産省に申請書類が届くまでの1-2日と、経産省から輸入承認書が届くまでの1-2日の合わせて3-4日ほどは余計に日数がかかります。
お急ぎで、東京近郊の方は直接経産省に申請に行けばその分早くなります。
輸入承認書が届いたら
経産省から輸入承認書が届いたら、タイのワニ革を日本に発送してくれる業者に輸入承認書のスキャンを送ります。
すると発送する業者はCITES輸出許可書とインボイスと送った輸入承認書をひとまとめにしてワニ革製品に同封して日本に発送してくれるので、タイ、日本の税関ではその3つの書類に不備がなければ滞りなく輸入がされるという運びになります。
この手続きは毎回の輸入ごとに必要になりますので、ワニ革を扱うとなれば経産省とは長いお付き合いになります。
ちなみにタイから輸入するワニ革製品の関税は10%、あとは輸入消費税が課税されます。
最後に
今回は販売目的で輸入する場合の手続きです。
余談ですが、附属書Ⅰに分類されるシャムワニは原則商業取引禁止というほど厳しい規制の対象なので個人のおみやげとしての輸入も輸入承認手続きが必要になります。
個人の携行品としてならCITESは不要ですが出国時に携行品であることを申請したものに限るのでおみやげを携行品と偽って持ち込むことも不可になります。
自分のおみやげとして輸入を検討されている方は一度経産省に問い合わせて不明点を確実にしておいた方がよろしいかと思います。
CITESで輸出が許可されたワニはそのために養殖されたものですが
タイにはワニの他にも象牙目的でゾウやトラなど乱獲で存続が危ぶまれている野生動物がいます。
一度彼らに思いを馳せてみてもください。
タイのワニ革製品はメルカリ、ヤフオクでも安定して売れていますし、
アマゾンやヤフーショッピングに出店されている方も中国製品と差別化できる貴重な戦力(商材)になってくれます。
タイのワニ革工場では自分のオリジナル商品も作ってもらえます。
参考ページ:
ワニ革の輸入承認を取るのも、オリジナル商品を注文するのも思いの外かんたんです。ぜひチャレンジしてみて下さい。
先日、直近の輸入の承認をとるため経産省に行ってきたので
近くそのことを記事にしますのでそちらも乞うご期待です。
ご拝読ありがとうございました。
今日のまとめ
- ワニ革輸入手続きは思ったより難しくない
- 実はかんたんな手続きをするだけでワニ革製品の参入障壁を超えられる
- 用意する書類は4種類、輸出者・輸入者の名前は揃える
- ワニ革製品を扱えれば商材の差別化ができる
K-DAD