NHK クローズアップ現代+「追跡!ネット通販 やらせレビュー」の回をK-DADが見て思うこと
前書き
こんにちは。K-DADです。
NHKの報道番組、「クローズアップ現代+」、K-DADは好きでよく見るんですけど、
皆さんは見たことはありますか?
10月2日(水)の放送内容が「追跡!ネット通販 やらせレビュー」という内容で、
ネット通販業をまさに生業にしているK-DADとしてはとても興味深い内容だと思ったので、録画しておいて昨日見てみました。
番組内容
内容を要約すると、
- アマゾン内でレビューは高評価なのに実際の品質は悪い商品がある
- それは報酬をもらって嘘のレビューを書く人やそれを斡旋するブローカーがいるから
- そういうやらせレビューをやっているのは主に中国人の出店者
- やらせレビューを付けて商品の評価を上げる行為は中国で完全にシステム化されていて、アマゾンが削除をしてもイタチごっこになっている
- 星5つのやらせレビューで自社の商品の評価を上げるだけでなく、競合他社の商品に星1つの嫌がらせレビューをつける行為も散見される
- やらせレビューを見抜くコツ
といった内容でした。
YouTubeには上がってなかったですが、上記のクロ現+のサイトには文字で番組のダイジェストが詳細に出ているので興味があったら見てみてください。
同業者間のウワサや実際、仕事上でアマゾンサイトをよく見る者として、番組でやっていた内容のやらせ行為はある程度あるだろうなと予想できていましたが、改めて実際に行われている場面を目の当たりにし、本当に腹が立ってきました。
実際、アマゾンを見てみるとやらせレビューであろう怪しいレビュー投稿を実に簡単に見つけることができます。なぜならやらせレビューでたくさんいい評価がついている商品ほどアマゾンで検索すると上位に上がってくるからです。
そうすると商品が数多く売れる、
このプラスの循環のせいで、だから悪徳業者はやらせ行為をしてでも良いレビューを集めるのです。
例えば、このワイヤレスイヤホン、
これなんか1347個もレビューが付いています(ほとんど5つ星)。
真面目にアマゾンで販売をしている方はわかるはずです。ノーブランドの1商品にこんなにレビューは付きません。
しかも人の心理として、商品がよかった時でもそれはあたり前のこととしてレビューは付けずに何か不具合があった時に悪いレビューを付けることが多いです。
日本人セラーはひとりひとりのお客様にレビューをお願いするメールを送ったり、販売開始直後は安売りして多くのお客様に商品を試してもらってレビューを集めようとしたり涙ぐましい努力をしますが、それでも通常、レビューを付けてくれるお客様は100人のうち、3人程度と言われています。
そしてこの商品のレビュー文章はやたら長文のレビューばかりでしたが、通常レビューというのはごく短い文の人もいれば、詳しく書いてくれる人もいるものです。
ですが総じて良いレビューに関しては短めの文章が多いです。
恐らく商品をモニターとしてもらったり、報酬をいただいて詳しい良いレビューを書いている人がいるのでしょう。
試しに番組で紹介されていた、やらせレビューが多い商品か判定するサイトでこの商品を判定してみますと・・・
サクラチェッカー
(アマゾンの商品ページのURLを入れて検索するだけでサクラ度を判定してくれます。)
何と!!!
サクラ度99%!!
このサクラチェッカーの判定が100%正しいわけではないんでしょうけど、
K-DADが見てもこの商品のレビューはかなり不自然です。
(この商品のレビューの多くが必ずやらせレビューだと言っているわけではありません。
ただ今までの経験から怪しいと思って取り上げたわけです。)
やらせレビューの背景
だからK-DADはアマゾンで買い物をするときレビューはほとんど、いや全くですかね、見ません。もうすでにレビュー制度に対する信頼がなくなっているんですね。
話は違いますが、食べログのレビューも全く信用していません。
このことはレビューシステムを駆使して、そのデータを利用して大きくなってきたアマゾンにとっても驚異です。
お客様がレビューがいいので購入した商品が期待はずれならアマゾンでの買い物体験のイメージが悪くなり、結果それは顧客のアマゾン離れを招くからです。
ですが、最近のこの目に余る状態はアマゾン自身が招いたと言っていいです。
アマゾンはある時期、積極的に中国人セラーを勧誘し、結果中国人セラーが爆発的に増えました。
いま日本のアマゾンも米国のアマゾンも中国人セラーが席巻しています。
特にさっきのブルートゥースイヤホンとか、スマホケース、バッテリーみたいなスマホ関連グッズは中国人セラーばかりで、真面目に売っている日本人セラーは既に検索上位に自社の商品を表示させることが難しくなっています。
やらせレビューで評価を上げた中国人セラーの商品が上位を独占しているからです。
試しにさっきのイヤホンのセラー情報を見てみるとやはり中国深センの業者でした。
深センは香港の隣の国境の街で中国のシリコンバレーとも言われるIT企業の多い場所、だからスマホ関連グッズの業者も多いです。
対策(売り手としても買い手としても)
でもこれだけNHK クローズアップ現代+でアマゾンが名指しをされ、大々的にやらせレビューがあることを報道されたらアマゾンにとってはメンツ丸つぶれです。
放置しているとアマゾンのイメージも悪くなります。
早晩、やらせレビューに対しては大規模な取り締まりがあるのではないかと思います。
個人的にはこういったインチキがあるならいいねとかレビューシステムなんてなくなればいいのにと思います。アマゾンでも食べログとかでもK-DADはレビューというものが大嫌いです。感想文だけならともかく星をつけることがおこがましいと思っています。
店にとっては生活がかかっているのに売り上げがネットだといい加減なレビューに簡単に左右されてしまうからです。
やらせレビューは良くないことです、もちろん。
でも中国人の、この、金を稼ぐためなら何でもあり!のたくましい商魂の前に地元の日本人セラーが圧倒されて、我らが日本のアマゾンの市場が食われまくっているのは事実です。
アマゾンはグローバル企業ですから日本人だろうが中国人だろうが誰が儲かろうと関係なく、アマゾン自身が一番儲かればいいと考えてるはずです。だから日本に大量の中国人セラーを招いたはずなので。
売る側として
ただ文句を言っていても結局はびこっている中国人セラーと渡り合っていかないといけないですから、日本人セラーは正々堂々と対策を考えて売っていかないといけないです。
現状は中国人セラーが得意なのはスマホガジェットとかファッション関係なのでそういった土俵には乗らないか、そういうジャンルでも視点をずらしていかないとまともにぶつかっては勝ち目がないです。
- 中国人セラーとかぶらないジャンル
- 中国人セラーが弱い分野の商品
- 中国人が売れないもの、作れないもの
を売る。
そういった意味ではタイ製品と中国製品の組み合わせ商品、日本製品と中国製品の組み合わせ商品は中国人はマネできないのでいいと思います。
最後に買う側として、アマゾンのやらせレビューを見抜くコツを、番組で言っていた方法+K-DADの判断基準からシェアします。
番組より
- 星5つ、星1つに偏っているレビューの商品は怪しい
- 同じ日に大量のレビューが投稿されている商品は怪しい
- 不自然な日本語で書かれているレビューは怪しい(中国人が翻訳ソフトでレビューしている可能性も)
- サクラチェッカーなどのサイトで確認してみる
プラスK-DADが注意していること
- 他の類似製品より格段に多い数のレビューが付いている
- 長文や使用写真を投稿している良い星のレビューばかり
- セラーの住所が中国
- 単純に中国無名ブランド製品のレビューは怪しい
この過剰にレビューやいいねが評価を左右する時代に、正しいネットリテラシーを持って生き抜いていきましょう。
K-DAD